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【令和8年度診療報酬改定】D to P with N・D to P with D の見直しを徹底解説|訪問看護遠隔診療補助料(265点)新設・遠隔連携診療料の対象拡大
令和8年度 診療報酬改定 オンライン診療 その②

【D to P with N・D to P with D】
訪問看護遠隔診療補助料(265点)新設と
遠隔連携診療料の対象拡大などを徹底解説

D to P with Nの評価を明確化し、訪問看護遠隔診療補助料(265点)と検査・処置・注射の実施料を新設。D to P with Dによる遠隔連携診療料は対象疾患を大幅拡大し、在宅・入院への適用も新設。

公開日:2026年2月24日 | 辻本公認会計士事務所(医療機関専門・全国対応)

【出典・免責事項】本記事は、2026年2月13日に中央社会保険医療協議会(中医協)が厚生労働大臣に答申した令和8年度診療報酬改定の内容に基づいて作成しています。正式な告示・通知は今後公布される予定です。内容には細心の留意を払っておりますが、記載の内容をもとに生じたあらゆる損害に関して、一切の責任を負いません。

令和8年度診療報酬改定では、オンライン診療の推進に関連して、看護師等が同席するオンライン診療(D to P with N)および他の医療機関と連携するオンライン診療(D to P with D)について大幅な見直しが行われます。
本記事では、①D to P with Nに関する訪問看護遠隔診療補助料(265点)の新設・検査等の実施料の新設と、②遠隔連携診療料の対象疾患拡大・在宅及び入院への適用拡大について解説します。
いずれも、オンライン診療の適切な推進や期待される役割を踏まえた改定であり、オンライン診療を提供する医療機関にとって重要な見直しとなります。

【連載】令和8年度改定・オンライン診療の見直し

1. D to P with N・D to P with D とは

オンライン診療には、患者と医師が1対1で行う形態のほかに、看護師や他の医師が関与する以下の形態があります。今回の改定では、これらの形態について評価の充実・明確化が行われました。

【オンライン診療の形態】

D to P(Doctor to Patient)
患者側に医療従事者の同席なしで、医師と患者間で診察を行う形態
D to P with N(Doctor to Patient with Nurse)
患者が看護師等といる場合のオンライン診療
D to P with D(Doctor to Patient with Doctor)
患者が医師といる場合のオンライン診療
D to D(Doctor to Doctor)
情報通信機器を用いて画像等の送受信を行い特定領域の専門的な知識を持っている医師と連携して診療を行う形態
【出典】
中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織(入院・外来医療等の調査・評価分科会)
「情報通信機器を用いた診療について(その1)」(令和7年6月19日)

2. 改定の背景:中医協での議論ポイント

令和8年度改定に向けた中医協の議論では、D to P with N および D to P with D のオンライン診療に関して、以下の課題が指摘されました。

【D to P with N に関する論点】

  • 看護師等の所属や定期的な訪問時に実施されるか等の看護の提供形態の違いを踏まえた訪問に係る評価の明確化をどのように考えるか
  • 実際に診療補助行為として検査・処置・注射が実施されており、その評価をどうするか

【D to P with D(遠隔連携診療料)に関する課題】

  • 令和2年度の新設以降、算定回数が限られている
  • 在宅医療や入院中の患者に対する評価をどうするか
  • 対象疾患をどうするか

これらの議論を踏まえ、今回の改定では「D to P with Nの評価の明確化」と「遠隔連携診療料の対象拡大」の2つの観点から、大幅な見直しが行われました。

3. 変更点①:D to P with N の評価の明確化

D to P with N によるオンライン診療について、主に以下の3つの見直しが行われました。

【改定の趣旨】

D to P with N によるオンライン診療の適正な推進の観点から、診療時の看護職員の訪問に関する評価、訪問看護療養費等との併算定方法や、検査及び処置等の算定方法を明確化する。

3-1. 在宅患者訪問看護・指導料との併算定ルール明確化

D to P with Nによるオンライン診療を実施した際の、在宅患者訪問看護・指導料(C005)および同一建物居住者訪問看護・指導料(C005-1-2)との併算定ルールが明確化されました。

【新設される算定要件(通知)】

訪問看護・指導の実施時に当該保険医療機関の保険医が情報通信機器を用いた診療を実施した場合に、C005及びC005-1-2は算定できる。
なお、この場合においても、訪問看護・指導の実施時間は十分に確保すること。

この明確化により、訪問看護・指導の実施中に医師がオンラインで診療を行った場合でも、訪問看護・指導料を併せて算定できることが明確になりました。

3-2. 訪問看護遠隔診療補助料(265点)の新設

訪問看護と一体的に実施されない場合であって、看護師等が患家に訪問してオンライン診療の補助を行う場合の評価として、訪問看護遠隔診療補助料が新設されました。

【(新)C005-1-3 訪問看護遠隔診療補助料】

点数:265点(1日につき)
対象:指定訪問看護以外の場面で在宅で療養を行っている又は緊急に診療を要する患者であって通院が困難なもの
施設基準:情報通信機器を用いた診療を行うにつき十分な体制が整備されていること

算定の対象となる場面

訪問看護遠隔診療補助料は、以下の2つの場面における看護師等の訪問を評価するものです。

保険医療機関自身の看護師等が訪問する場合

医療保険又は介護保険の訪問看護と一体的に実施されない場合に、情報通信機器を用いた診療を行う保険医療機関自身が、当該診療時に看護師等を患家に訪問させる場合

連携する訪問看護ステーションの看護師等が訪問する場合

医療保険又は介護保険の訪問看護と一体的に実施されない場合に、当該保険医療機関と連携する訪問看護ステーションによる訪問を併用して行われる場合

その他、詳細な算定要件(通知)が定められているため、算定可否について検討が必要です。

3-3. 検査・処置・注射の実施料の新設

D to P with Nによるオンライン診療において、検査・処置・注射を実施した場合の専用の点数が新設されました。

新設点数1種類の場合2種類以上の場合備考
看護師等遠隔診療検査実施料(1日につき)/strong>100点150点第3節・第4節の各区分の所定点数に代えて算定
看護師等遠隔診療処置実施料(1日につき)100点150点第1節の各区分の所定点数に代えて算定
看護師等遠隔診療注射実施料(1日につき)100点第1節の各区分の所定点数に代えて算定
処置実施料のロ(2種類以上150点)を算定する場合は算定不可

いずれも、通常の検査・処置・注射の所定点数に代えて算定するものです。D to P with Nでは、医師が遠隔から指示を行い看護師等が実施する形態であり、算定方法を明確化して新たな評価として設定されています。

【注射実施料の算定上の注意】

看護師等遠隔診療注射実施料(100点)を算定した場合は、C005-2(在宅患者訪問点滴注射管理指導料)は別に算定できません。また、看護師等遠隔診療処置実施料のロ(150点:2種類以上)を算定する場合は、注射実施料は算定できません。

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4. 変更点②:遠隔連携診療料の評価の拡大

D to P with D によるオンライン診療を評価する遠隔連携診療料(B005-11)について、対象疾患の大幅な拡大と、在宅・入院への適用新設が行われました。

【改定の趣旨】

D to P with D によるオンライン診療について、期待される役割や調査結果を踏まえ、遠隔連携診療料の対象疾患を見直すとともに、入院及び訪問診療における活用について、新たな評価を行う。

4-1. 対象疾患の拡大と点数の見直し

遠隔連携診療料の外来診療の場合について、対象疾患が大幅に拡大されるとともに、点数体系が見直されました。

点数の見直し

区分現行改定後
1 診断を目的とする場合750点1 外来診療の場合 900点
(診断・その他を統合)
2 その他の場合500点
2 訪問診療の場合(規定なし)900点(新設)
3 入院診療の場合(規定なし)900点(新設)

現行では「診断目的(750点)」と「その他目的(500点)」で区分されていましたが、改定後は「外来」「訪問診療」「入院」の区分に再編され、いずれも900点に統一されました。また、目的についても「診断又は治療管理」と統合されています。

対象疾患の拡大(外来診療の場合)

対象疾患現行改定後
指定難病○(疑い含む)○(診断目的は疑い含む)
てんかん(外傷性含む、知的障害を有する者に係るもの含む)○(疑い含む)○(疑い含む・外傷性は診断目的に限る)
希少がん○(診断目的は疑い含む)
小児慢性特定疾病○(診断目的は疑い含む)
医療的ケア児(者)
悪性腫瘍(治療中)○(一部の人口の少ない地域に限る)
膠原病(治療中)○(一部の口の少ない地域に限る)
慢性維持透析○(一部の人口の少ない地域に限る)

注意すべき点は、悪性腫瘍・膠原病・慢性維持透析の3疾患は一部の人口の少ない地域に所在する保険医療機関に限り対象となる点です。これは、医師不足の地域においても、専門的な医療を遠隔で受けられるようにすることを目的としています。

連携先医療機関の要件

遠隔連携診療料で連携する「他の保険医療機関」は、対象疾患に応じて以下の要件を満たす必要があります。

対象疾患連携先の要件(外来の場合)
指定難病難病診療連携拠点病院、難病診療分野別拠点病院、又は難病医療協力病院
てんかんてんかん診療拠点機関
希少がん特定機能病院、又は都道府県がん診療連携拠点病院
小児慢性特定疾病小児入院医療管理料1届出医療機関
悪性腫瘍・膠原病・透析(一部の人口が少ない地域のみ)同一都道府県内に所在する保険医療機関

4-2. 在宅医療(訪問診療)への適用新設

遠隔連携診療料の注2として、在宅で療養を行っている通院困難な患者に対する訪問診療時の遠隔連携診療の評価が新設されました。

【遠隔連携診療料 2 訪問診療の場合】

点数:900点(3月に1回)
場面:計画的な医学管理の下に訪問して診療を行った時に、情報通信機器を用いて他の保険医療機関の医師と連携して診療を行った場合

対象患者(訪問診療の場合)

主治医標榜以外の診療を要する者

主治医として定期的に訪問診療を行っている保険医が属する保険医療機関が標榜していない診療科であって、その診療科の医師でなければ困難な診療を要する者

医療的ケア児(者)

外来緩和ケア管理料の対象患者

4-3. 入院患者への対診の評価新設

遠隔連携診療料の注3として、入院中の患者に対する情報通信機器を用いた対診の評価が新設されました。

【遠隔連携診療料 3 入院診療の場合】

点数:900点(3月に1回)
場面:入院中の患者に対して、治療管理を目的として他の保険医療機関の医師と情報通信機器を用いて連携して診療を行った場合

対象患者(入院診療の場合)

対象患者
ア 指定難病の患者
イ 希少がんの患者
ウ 小児慢性特定疾病医療支援の対象患者
エ 日本臓器移植ネットワークに臓器移植希望者として登録された患者
オ 当該保険医療機関が標榜していない診療科の医師でなければ困難な診療を要する者(人口の少ない地域に限る)

訪問診療・入院いずれも、外来同様に連携先の「他の保険医療機関」要件等詳細な算定要件があるため、算定検討にあたっては要件に該当するかの確認が必要です。

遠隔連携診療料に関するその他の変更

上記に加え、遠隔連携診療料に関して主に以下の変更も行われました。

【その他の主な変更点】

予約費用徴収の明確化:情報通信機器を用いた診療を行う際は、予約に基づく診察による特別の料金の徴収はできない
運用費用の取扱い明確化:情報通信機器の運用に要する費用は、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として別途徴収できる

5. 改定内容の全体比較(現行 vs 改定後)

項目現行改定後
D to P with N 関連
訪問看護・指導料の併算定併算定可能と明確化
訪問看護遠隔診療補助料新設 265点
看護師等遠隔診療検査実施料新設 100点/150点
看護師等遠隔診療処置実施料新設 100点/150点
看護師等遠隔診療注射実施料新設 100点
遠隔連携診療料(D to P with D)関連
外来の点数診断750点 / その他500点外来900点に統一
在宅(訪問診療)新設 900点(3月に1回)
入院新設 900点(3月に1回)
対象疾患(外来)指定難病、てんかん+希少がん、小児慢性特定疾病、医療的ケア児(者)、悪性腫瘍・膠原病・透析(過疎地域限定)

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7. まとめ

【改定のポイント一覧】

  1. D to P with Nの併算定ルールを明確化:訪問看護・指導の実施時にオンライン診療を行っても併算定可能
  2. 訪問看護遠隔診療補助料(265点)を新設:訪問看護と一体的に実施されない場面での看護師等の訪問も評価
  3. 検査・処置・注射の実施料を新設:D to P with Nでの検査等に点数を設定(100点/150点)
  4. 遠隔連携診療料の対象疾患を拡大:希少がん・医療的ケア児(者)・小児慢性特定疾病等を追加、過疎地域では悪性腫瘍・膠原病・透析も追加
  5. 遠隔連携診療料を外来900点に統一:診断目的・その他目的を統合し、在宅(900点)・入院(900点)も新設

今回の改定は、オンライン診療の適切な推進や期待される役割を踏まえた改定となります。特に、遠隔連携診療料の対象疾患の大幅拡大や在宅・入院への適用により、遠隔連携の活用範囲が大きく広がっています。

オンライン診療の拡大を計画的に対応するために、運用フローを確立することが重要となります。

その他の令和8年度診療報酬改定項目の解説はこちら

オンライン診療の改定対応は、
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